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11/27から開催する『Lettering by JOTA』展の話

グラフィティライターのJOTAさんによるカプセルコレクションの第2弾が登場。アイテムの発売に合わせて、STACKS BOOKSTOREにて作品展『Lettering by JOTA』を開催します。そこで今回のMAGAZINEでは、JOTAさん、STACKSの山下丸郎さんをお招きして、そのクリエイティビティに迫ってみました。

JOTA

グラフィティライター。90年代、全盛期を迎えた桜木町で活動をスタート。2005年、グラフィティ文化に焦点 を当てた大規模な展覧会『X-COLOR』に参加。20年以上のキャリアから生み出されるスキルフルなアートピースがファンを魅了する。

山下丸郎

フリーランスの編集者、PR、ブックディレクターを経て、ブックレーベル〈STACKS〉を設立。世界中のアート表現を書籍やジン、アパレルなどのメディアを通じて発表する。今年8月には実店舗となるSTACKS BOOKSTOREを渋谷神山町にオープン。

長谷川昭雄

ファッションディレクター、スタイリスト。雑誌『MONOCLE』や『POPEYE』のファッションディレクターを歴任後、フイナムとともにウェブメディア『AH.H』を立ち上げる。2020年〈NAUTICA〉のクリエイティブディレクターに就任。

NAUTICA + STACKS Award Jacket “JOTA” 5.1

中肉のメルトンとシボ感のあるカウレザーからなるアワードジャケットに、JOTAさんのアートワークを基に制作したワッペンを散りばめた贅沢な一枚。

今シーズンの立ち上がりとともに発表したJOTAさんとのカプセルコレクションですが、評判も上々のようです。

それは良かったです。

ブルーとシルバーのカラーリングが洋服に落とし込みやすくて、アートワークを入れるとすごく映えますよね。

このカラーリングは小田急線の電車から引用しているとか?

そうですね。わりと身近にあるものから引っ張って来ることが多くて。

地元が小田急線沿線なんですか?

はい、海老名です。

海老名では結構描いていたんですか?

いや、俺が始めた頃は、桜木町(※1)が描けたので、そっちが多かったです。スケートしている友達で描いている人がいて、俺も描くようになりました。

(※1) 旧東横線の高架下の側壁。グラフィティアートの象徴的スポットとして、様々なアーティストが腕を磨いた。 2008年に全ての作品が撤去される。

NAUTICA + STACKS Award Jacket “JOTA” 5.1

振りミシンや畳ミシンといった異なるミシンを駆使して作られたワッペンのディテールワークが見もの。

それはいつ頃の話ですか?

1997年ぐらいですかね。でも、なかなか壁を自分のものに出来ないんですよ。

自分のものにできない、というと?

その後に結構いかれる(上描きされる)んですよ。だから一年ぐらいは自分の壁がなかったんですけど、徐々に自分が描いた物が消されなくなってきましたね。

上描きされるものとされないもの、その基準はなんですか?

上手いとか、ヤバイとかですね。

そうですね。すごく上手に描いても、スタイルがなかったりすると消されるんですよね。そういうのをそれぞれが見極めているんですよね。

つまり、残っていること=認められたことになるんですね。

はい。だから毎週見に行ってましたね。

残っているかどうかを確認するために?

それもありますし、更新したりもするので。

更新というのは色を付けたり、足したりすることですか?

いや、新しくゼロから描いたりしましたね。

それを続けていくことで、“ここはJOTAさんの壁”という認知が広がっていくんですよ。

へー。面白いですね。

当時、自分は中高生だったんですが、学校帰りに桜木町に行っては写真を撮ったりしていましたね。

その頃からJOTAさんとはお知り合いだったんですか?

いや、全然です。結構行ってたんですけど、描いているところは見たことがなくて。そのミステリアスな感じも手伝って、グラフィティってすごい!って子供心に思ってました。

(左) NAUTICA + STACKS Sweatshirts “JOTA” 2.8

JOTAさんのアートワークを表現したサガラワッペン付きのスウェットシャツ。安心安定のNAUTICAオリジナルボディを使用。

(左) NAUTICA + STACKS Oxford Shorts “JOTA” 4.4

タギング調グラフィックを総柄プリントしたオックスフォード素材の膝上丈 ショーツ。あると嬉しいポケット付き。

 

(右) NAUTICA + STACKS Rug Mat “JOTA” 8.10

ブランドネームをあしらったラグ。ポリエステル素材だからお風呂やキッチンなど水場での使用も可能。つまり洗濯も可。

桜木町時代から今の作風で活動していたんですか?

いや、まだですね。当時はJOTAではなくて、違う名前で描いてて。桜木町で描けなくなった頃から、タグネームを変えて、今のスタイルで描き始めました。

どうやって作品のスタイルを確立するんですか?

とにかく描くことじゃないですかね。自分のレタリングを持つようになると、自分のスタイルが出来上がってきますね。

つまりオリジナルのフォントということですよね。

俺、小さい頃から文字を書くことに興味があって、平仮名や漢字を自分の書き順で書く、みたいなことをしていたんです。

書き順、ですか?

はい。例えば、漢字って省略したりするじゃないですか。それを自分流にアレンジしたりして。

へー。

小学校の美術の授業で、そういうのがあったんですよ。例えば“水”という字だったら、パーツを水滴みたいにして書きましょう、みたいな。それに一時期すごくハマってました。

絵やアートに関心のあるご家庭だったんですか?

いや、全然ないですね。グラフィティって絵というより字じゃないですか。そこに俺は興味を持ったんですよね。「絵が上手だ」と言われたことないし、これまでに上手く描けたっていう実感もないです。

でも同じ形を常に描けるということは、そこに一定のルールや考え方があるんだと思うんです。だとすると、絵も上手に描けそうですが?

どうなんでしょう。絵はあまり自信がないですね(笑)。

(左) NAUTICA + STACKS Oxford Shorts “JOTA” 4.3

超長綿をしっかりと編み立てたオックスフォード素材のショーツ。左ポケット脇にタギング調グラフィック入り。

 

(右) NAUTICA + STACKS Rug Mat “JOTA” 8.9

ビリヤード場の上で仲間とともに共同生活していたJOTAさん。8ボールは当時から描いていたモチーフのひとつ。

(左) NAUTICA + STACKS Handkerchief “JOTA” 8.3

シャツと同じオックスフォード素材を使ったハンカチ。三者のアイコンを一箇所にレイアウトしたデザイン。

 

(右) NAUTICA + STACKS Bath Towel “JOTA” 8.8

ふっくらとした質感と優しい肌触りが味わえる今治タオル謹製のバスタオル。洗濯を重ねても吸水性がキープする。

オリジナルのフォントはAからZまで全て揃っているんですね。

そうですね。嫌な文字はあるんですけど。

それは描きづらいということですか?

はい。あと文字の並びですかね。タグネームを作るときも文字の並びで決めるライターは結構いますね。

じゃ意味より見た目の美しさだったり?

そうです。意味なんてなかったりすることもありますね。

ちなみにJOTAさんのタグネームはどのように決めたんですか?

好きな車から決めました。ランボルギーニのイオタという。

“ジョタ”ではなく“イオタ”だったんですね。

タグネームの読み方も分からないし、誰が描いているか分からない。そういうグラフィティの謎めいた部分にもすごく惹かれてて。

そうですよね。この作品の上には描かないとか、そういう判断を各々がしているわけじゃないですか。暗黙のルールなんだけど、皆が共通の概念を持っているというのが、面白いですよね。

上描きについては、初心者でも分かるんですかね。これは触れちゃマズい作品だって。

ある程度は分かると思いますよ。まずは綺麗に描かれているかを見るんですけど、そのうちアウトラインを気にするようになってくるんですよね。この形がヤバイとか。

アウトラインを見るんですか?

わりと見ますね。一文字のときは良いけど、二文字以上のときは良くないな、とか。字間が詰まっていても、離れていても、アウトラインがしっかりしていると、良く見えたりしますよね。

それってアートディレクターの世界の話ですよね。

ライターはそういうところをすごく見ていると思いますよ。

すごいですね。

NAUTICA + STACKS “TOO HEAVY” L/S Jersey Tee “JOTA” 2.11

NAUTICA + STACKS “TOO HEAVY” Jersey Pants “JOTA” 4.5

NAUTICAのスタンダードとして定着した12ozの肉厚な天竺をボディに使ったセットアップ。タギング調グラフィックの総柄プリント入り。

好きな文字と嫌いな文字がある、と仰っていましたが、JOTAの4文字は好きなアルファベットで構成しているんですか?

いや、Jが難しいですね。ムズいな、と思いながら、いつも描いています(笑)。

今回描いて頂いたNAUTICAはどうでしたか?

描きやすかったですね。文字の並びも好きでした。IとかYとかXが入ると難しいんですよね。

左右対称だからですかね。

どうなんでしょう。人によってだとは思うんですけどね。でもJに関しては、皆言いますね。エクスチェンジ(※2)で、いろ んな人に描いてもらったりしても、「描きづらい」と言われます。

ライター同士でそういう会話をするんですか?

よくしますね。あと初めて会ったライターには、何故そのタグネームなのかを聞いています。作品を見て、想像するじゃないですか、どんな人なんだろう?って。その答え合わせをしますね。

その答え合わせがグラフィティの醍醐味の一つですよね。「これ描いたのって、あの人だったらしいよ」という話にワクワクしたり。何歳になってもそんな感じです(笑)。

一同笑

(※2) ライター同士が作品やタグネームを互いのブラックブックに交換する、言わば名刺交換的な儀式。

NAUTICA + STACKS 6 Panel Cap “JOTA” 8.13

タギング調グラフィックの刺繍をあしらった6パネルキャップ。バックにはボディと同色のSTACKSロゴが入る。

壁に描くときと紙に描くときでは、使う材料が違いますよね。同じように文字が描けるんですか?

描けるは描けるんですけど、やっぱりスプレーの方が難しいですね。

多分それはスキルの話で、グラフィティを始めたばっかの人に同じように出来るか?といったら全然出来ないと思います。

スプレーって難しそうですよね。

たしかに難しいですね。ちょっとやっていないと感覚を忘れたりしますね。あと缶によって特性があったりするので。

缶もそうですし、ノズルによっても違いますよね。

そうですね。でも今は海外の缶が普通に買えるので、便利になりましたね。昔は代理店がなかったので、カラーバリエーションも全然なくて、中間色を使うときは、片っぽを凍らせたりしていました。

凍らせる?

例えば、水色にしたいときは、青と白のスプレーを用意して、片っぽを凍らせるんですよ。そしたら、ノズルを押しても出ないじゃないですか。それを、もう1本のスプレーとストローノズルで繋げて、解凍して混ぜると水色になるんですよね。

̶

へー。そんなこと出来るんですか!

NAUTICA + STACKS Sweatshirts “JOTA” 2.7

サガラワッペンを貼り付けたスウェットシャツ。グラフィックのカラーリングはボディカラーに合わせてアレンジがくわえられている。

その知識はどうやって身に付けたんですか?

そういうツールみたいなのがあったんですよね。ニューヨークとかでもやっていたと思います。

ノズルをカスタマイズしたり、試行錯誤の時代があったんですよ。JOTAさんはそういう時代を経験している人なんで、こういう話が聞けて面白いです(笑)。

キャップの内側に紙切れを入れたり。そうすると、吹き出し口が詰まるので、ちゃんと出なくなるんですよ。オス・ジェメオスというアーティストはそういう技法を使ったりしていますね。

よく考えましたね。

今はわりと缶の種類が揃っているから、そういうが無くなりつつありますね。

創意工夫せずとも道具が揃っている、と?

そうですね。でもたまにパステルカラーのスプレー缶が出たりするんですよ。そういうのってすぐに廃盤になるから、ストックしたりはしますね。

めちゃくちゃ面白い世界ですね。

面白いですよね。俺はツールもめちゃめちゃ好きなので、ついつい集めちゃいますね。

NAUTICA + STACKS Sweat Hoodie “JOTA” 2.10

フロントにサガラワッペン、ポケットにSTACKSロゴ刺繍、さらにフードにもタギング調グラフィック刺繍と、ディテールワークが豪華なスウェットフーディ。

(右) NAUTICA + STACKS Knit Cap “JOTA” 8.6

片面にタギング調グラフィック、もう片面にはSTACKSロゴをそれぞれ刺繍であしらった両A面のニットビーニー。

一点の作品を作るのに、どのぐらい時間がかかるんですか?

時間はそんなにかからないですね。

「展示がなくても、ずっと描いてる」と言ってましたよね。

そうですね。感覚を忘れちゃうので。

ラフみたいなものを描くんですか?

あんまり入れないですね。ほぼデッサンは入れないで、ペンでそのままです。

頭でイメージしたものをペンで走らせる感じですか?

そうですね。

原画を見たところ、筆運びに迷いがない気がします。

自分のレタリングというのがあって、それをベースにしていくので。

まるで職人みたいですよね。

そうだよね。審美眼とかフィロソフィーを持った人たちが嗜む文化だとは、ここまで深いとは思わなかった。

面白いカルチャーですよね。自分は一生抜け出せなそうです(笑)。

一同笑

今回、JOTAさんと取り組めて本当に良かったです。デザインチームでそれっぽいグラフィックを作っても何の意味もないし、ストリートで活動している人と、もの作りをすることに意味があるんだと思います。おかげで、NAUTICAが次の段階に踏み込めた気がします。

こちらこそ有難うございます。

展示も楽しみです!

はい、頑張ります。

NAUTICA + STACKS 6Panel Cap “JOTA” 8.14

JOTAさんのホームタウンである海老名にちなんで、フリークスストア海老名店のみで販売するキャップ。同じボディカラーの別デザインもあり。

当ページに掲載している商品は、一部を除き11月29日(月)よりオンラインストアで販売いたします。

またアワードジャケット、 スウェットシャツ、スウェットフーディー、ラグマットについては、作品展『Lettering by JOTA』にて先行販売します。

作品展『Lettering by JOTA』

グラフィティライターのJOTAさんによる作品展を開催。会場では、JOTAさんによる新作アートの展示にくわえ、カプセルコレクションの第2弾の一部商品を先行販売いたします。またJOTAさんのオリジナルレタリングによる名入れ刺繍サービスを事前予約にて限定数承ります。

 

■日時
11月27日(土)- 12月5日(日)

 

■時間
平日15:00-20:00
土日13:00-19:00

 

■場所
STACKS BOOKSTORE

(東京都渋谷区神山町42-2 神山Mビル2F)

*新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止あるいは延期の可能性があります。予めご了承くださいませ。

 

■名入れ刺繍サービスについて
11月24日(水)から26日(金)の間で、フリークス ストア 渋谷店にて本コレクションのスウェットシャツとスウェットフーディーに名入れ刺繍を施したサンプルを展示いたします。刺繍サービスをご希望の方は店舗スタッフまでお申し付けくださいませ。事前予約の際は、商品代金と刺繍代金(2,200円/税込み)を前受け金としてお預かりいたします。商品のお渡しは11月27日(土)にSTACKS BOOKSTOREにて行わせていただきます。

*先着20名様限定のサービスとなります。
*商品のお渡しは11月27日(土)STACKS BOOKSTOREのみとなっております。
*フリークス ストア 渋谷店での事前予約の詳細に関しましては、ノーティカ オフィシャルインスタグラムにて後日お知らせいたします。